CONCEPT
魅力的な都市空間を形づくるには、形状やスタイルの美しさに加え、建造物を覆う素材感(テクスチャ―)がとても大切な役割を果たします。それはあたかも文学や音楽、絵画などが醸しだす魅力的で洗練されたニュアンスのように、人の心をある時はときめかせ、また、ある時は癒してくれるような、官能喚起力を持つもの。だからこそランドスケープ・テクスチャーは都市のシルエットに趣き優雅な風合いを添えることができるのです。
自然の木目や石材、錆びた金属など天然素材には自然界から「直送された魅力と優美さ」が満ち溢れています。
しかし、それらは耐久性・品質安定性・施工性・安全性などの問題を抱えていることも事実です。それは単に自然物の模倣にはとどまりません。
都市景観を工業製品に転移された優美な自然のエッセンスで覆うこと…
それこそが、景観装束「グレイスカラー」の役割なのです。
開発の背景
近年、公共施設やホテル、商業施設などの大型建築物において、落ち着いた雰囲気や重厚感や高級感を演出するため、内外装に木や石、金属などの自然素材を使いたいというニーズが高まっています。
しかし自然素材そのものを使う場合、木材は耐久性や不燃性、石材は重いなどの問題があり、金属は年代を経て独特な美しい色合いを表現するには劣化が早いといった課題がありました。さらに従来の塗装では自然素材の色合いを表現することはなかなか難しい課題でした。これらの課題に対し難波金属はメーカーとのタイアップにより、木や石、金属などの高級感溢れる豊かな質感を再現した「グレイスカラー」を開発しました。
グレイスカラーは、加工性に優れた焼付印刷塗膜のため、ルーバーやパネルなどの多様な用途に展開できるほか、施工の負荷も軽減しながら、ハイグレードな建築デザインを実現します。標準デザインカラーのほか、顧客のニーズに合わせて自然素材にはない斬新な意匠を作ることも可能で、これまでにない新たな空間の演出に有効です。